テクニカルアドバイス
For Roadster

ホンダシビックRの冷却

  

いつもホンダのエンジンを見る度に思うのですが、本当にラジエターが小さく出来ています。
こんなもので足りるのかと疑問に思ってしまいますが、大丈夫のようです。

もっともレースなどで酷使すれば話は別ですが、それでなくても最初からNAエンジンとしてはパワーが与えられているだけにもっと大きなラジエターがドンと奢られていても不思議はないと思います。

こんな質問をホンダのエンジニアに下手に聞けば、“君は勉強不足だねー”と笑われそうです。必要ないから、あるいは十分だからこそ、この大きさのラジエターなのでしょう。

私なりに考えるにやはりポイントはエンジン内の冷却水の熱交換の効率の良さだと思います。
兎に角シリンダー周りは冷却水がタップリ入るようになっています。

アルミブロックのシリンダー周りの構造は別の機会にしますが、要するにしっかり熱交換が出来ているのだと思います。ヘッドについても、同様です。

なまじエンジンが過熱してしまうと冷やすのに大きなラジエターがどうしても必要になりますが、エンジンが十分に冷えるのであれば、かえって過剰にならないようにそれなりのサイズのラジエターで良いことになります。

日産のFF(プリメーラ・サニー)などは、デカいラジエターが付いています。

ところがエキゾーストが非常に近いので、かなり加熱されてしまいます。

サニーは電動ファンモーターがエキマニの熱で溶けるトラブルが続出しました。

対策に材質を変えたり、遮熱をしたりしていますが、完全な設計ミスにも思えます。
市場に出た後に、モーターがドロドロ解けるようでは、困ったものです。
ゴルフも同じ症状が出ました。FF車の場合、ラジエターとエキマニの距離や遮熱が大事なポイントです。

その点、シビックはラジエターをコンパクトにしてミッション側に寄せて、エキマニの熱を受け難くしています。
下手に横長だと、どうしてもエキマニの熱影響を受けてしまいます。
この辺もホンダエンジニアの狙いなのでしょうか。

マツダのデミオも小さなラジエターです。
でもシビックとは出力が違い過ぎます。

うーん???。でもやっぱり、小さすぎると思います、シビックのラジエター。

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