テクニカルアドバイス
For Roadster

エアクリーナー
  

写真の商品はARC製のインダクションボックスです。

初期型はメーカー純正品のような湿式のフィルターでしたが、最近はスポンジ状のスポーツタイプも販売されています。

以前から色々なタイプのエアクリーナーのキットは販売されていますが、市場の評価はまちまちで、どこの物がダントツに良いといった事を聞いたことがありません。

どこの物でも大して変わりも無く、その時に一番気に入ったものを買えばよいのでしょうか?

答えは、NOです。

やはり、自分の仕様にあった物を選択すべきです。

少し無責任な言い方ですが、エンジンのタイプや仕様によって合っている物とそうでない物があるのです。
また確かにクリーナーの形状によって変化します。

K&Nは世界でも最大手のフィルターメーカーです。
ここの製品をキットに組み入れて商品化しているところは結構あります。

当社のFCR用のK&Nフィルターキットも例外ではありません。

K&Nのフィルターような湿式タイプは集塵効率が大変良く、エンジンを保護する役目としては、最適と思います。
純正品でも湿式のクリーナーは清掃不要として、長い交換サイクルを指定しています。
マツダ、日産などはこのタイプをよく使用しています。一方、乾式のフィルターはトヨタが採用しています。

定期的にエアブローをして使うタイプで、パワーをロスし難くA/Fが狂い難い。従い比較的簡単にフィルターを取り出せるようになっています。

本当はクリーナーの薀蓄については、私ごときアレコレと偉そうに説明できるものではなく、奥深いものなのですが、簡単に言えば、空気抵抗を取るか、集塵を取るかによって分れると考えたら良いと思います。

空気抵抗が極めて少なく、且つ集塵効率の優れたフィルターがあったら凄いことです。

それを極める為に、各メーカーは形状を工夫して吸入効率を上げたり、スポンジを特殊なものにして、集塵効果を上げています。

エンジンは誰もがロングライフを望む訳ですから、集塵効果を先ず考えて、パワーロスはある程度見逃す方向になります。

しかし、例えば、このARC製のクリーナーですが、もしこれに蓋を付けてそこからシュノーケルを出せば、純正のクリーナーボックスと変りないものになります。

言い換えれば、純正クリーナーボックスの蓋をとってフィルターを剥き出しにした状態とも言えます。
効果は非常にあります。
確かに馬力はアップします。
フィルターの汚れ具合も全体に均等性がみられ、吸入効率の良さを覗えます。
純正ボックスの様に蓋をすると、インテークパイプの周辺に汚れが集中します。
つまりボックス内で空気の偏りが起こっていることになり、吸気効率としてはあまり良くないと言えます。

ちょっとしたアイディアでチューニングが広がるのは面白く、プロでも見抜けなかったことをプライベーターが簡単にやってしまう事だってあります。

それらしいネーミングを付けて、“サーキットで培った技術をフィードバック。
”とカラーページでデカデカとやられると信じてしまいそうですが、4連スロットル(キャブ・インジェクション)は別として、純正クリーナーボックスの交換タイプの場合、第一に集塵を確実にしてエンジンの保護を優先すべきだと思います。

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