テクニカルアドバイス
For Roadster

コンロッド大端部



写真は純正ロッドと当社ロッドの比較です。
ボルトに注目してください。コンロッドのトラブルはメタルベアリングによるケースが多いのです。原因はクローズドイン(ロッドの変形)のような、ロッド大胆部が対荷重に耐えられないケースによるものです。
ボルトが瞬間的に延びると、メタルの変形を起こします。そこで、強化品のボルトが必要になるのですが、通常の純正品は焼き入れのスチールを使用します。当社のロッドボルトは航空機に使われている技術を応用されています。このボルトの開発がロッドの性能を飛躍的に向上させたのです。
メーカーのネームバリューでパーツを選択するのも分かるのですが、何故それらのパーツが一流と称されているのか、また何故必要なのかを検討してみるのも大切なことです。
因みに、純正のコンロッドボルトをさらに強化型のボルトに変更することも効果的と思います。これだけでも、非常に良いチューニングアイテムになるはずです。

コンロッドの比較

純正品とターボ用のコンロッドの比較です。
確かにターボ用は剛性があり良さそうですが、重過ぎの感もあります。
ターボの場合、NAとは異なった使用回転域です。重量よりも剛性を重視した設計になっています。
高回転で使用する場合、軽量化がポイントになります。純正よりさらに重いものをしようすることが、本当に良いのか判断に迷います。
耐久性の面では効果があるでしょうが、ロングストロークのマツダエンジンの場合、高回転でのピストンスピードは上昇してしまい、パーツ重量の影響はメタル荷重という形でモロに出てしまいます.。

コンロッドボルトの伸び

 

写真のゲージはロッドボルトの伸びを測定する為の専用品です。
締め付けトルクとボルトの伸びの両方から、最適な組み付けをします。
ボルトがくたびれてくると張力が落ちてきます。
従い、規定トルクで締めても充分な伸びが確認できません。つまりボルトの交換時期を示しています。
またネジの噛み合わせが悪いと規定トルクで締めても締め付け不足になります。
この場合もボルトの伸びが確認できません。

トルクと伸びの両方から確実な作業をすることが大切です。特にロッドベアリングのトラブルは非常に多いので、ここでの作業はエンジン組みの最も重要なところと言えます。