テクニカルアドバイス
For Roadster

テクアド  クラッチレリーズインナー

私の3歳になる息子が鼻血を出していた。
何故なのか?
カミサンに聞けば何の事は無い、ハナをほじり過ぎただけのことである。
それからと言うもの注意をしていると、それとなく小さな指を小さなハナの穴にゴリゴリと不器用にねじ込んでいる。
鼻くそ取りたさに彼なりに必死である。

何事も同じである。
やはり、無理にゴリゴリやるのはよろしくない、けれども定期的に少しはゴリゴリやって清潔にしなければならない。
っと言うことで、今回のテーマは"鼻くそ"ではなくクラッチインナーパーツの交換。!!

マルハでは車検で預かる時には必ず交換をお勧めするアイテムの中にクラッチレリーズの
インナーパーツがある。


この部品はミッションケースの右側に位置するもので、クラッチペダルの油圧でニュウーっとストロークする。
この作動を利用してクラッチレバーをテコの原理で動かす訳です。
良く雑誌などで大型シリンダーなるものが紹介、販売されています。
これは強化クラッチを組み込むと圧着力が上がり、その分ペダルが重くなる。
そこで、シリンダーのボアを拡大する事で楽(ラク)しようと言うものです。
当然、ストロークを稼ぐ為に、必要となるクラッチペダルのストローク量が変化します。
まぁ其処は僅かなボア拡大と言うことでお茶を濁している訳で、体制に影響無しとしているのでしょうが、本当はその辺り購入前にシッカリ確認しなくてはなりません。
このシステムは主に日産車に多く見受けられます。
GT-Rなんかはかなり重いですから。

チョッとこの写真を見てください。

どうです。すばらしい錆び付きでしょう。惚れ惚れします。
こんなに錆びるにはかなりホッタラカシにしなくてはなりません。
さて、定期的にこの部分をO/Hするにはインナーパーツを交換するしかありません。

これがマツダから販売されている交換キットパーツです。
安いものです。
交換には少し手間が掛かりますが、もしこの部分からクラッチフルードが漏れたら、完全に立ち往生となります。
だってクラッチが切れないのですから。
ベテランはクラッチが切れなくてもエンジン回転を上手く合わせてギヤチェンジを行い、最寄の工場まで自走します。
そんなことを皆様に求めるべくも無く、また必ずギヤをカジりますので、お止め下さい。
JAFか世話になっている工場にT.EL、積載車の出動とアイなるわけです。
高い請求が待っています。
それ故、定期的に(最低車検ごとに)交換すれば良い訳です。

交換の再に、単純にインナーパーツを交換するのではなく、軽〜くホーニングをするのがベター。
少しでも錆びが出ていたら必ずしなくてはなりません。
ハンディーなドリルにフレックスホーンを取り付けるのも手軽なのですが、
写真の用にボール盤にフレックスホーンを取り付け、シリンダー内が均等にホーニングされるようにしてあげるのがベスト。

見事に錆びは消し飛び、綺麗なホーニング跡が残ります。
インナーパーツとの馴染みも向上しますし、ライフも長くなります。

細かな事ですが、これも経験から学んだ大事なメンテナンスの一つです。

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