テクニカルアドバイス
For Roadster

テクアド プログラム

山形大学工学部の入学試験で判定ミスが発覚しました。
本来合格していたはずの不合格者が過去5年間で400人を超える可能性があるとの事。
山形大学によると、大学入試センター試験の国語の成績を山形大が利用する際、1997年から国語の配点方法が変わったのに合否判定をするコンピューターのプログラムを変更しなかったのが原因らしい。
当大学は調査結果を文部科学省に報告、97年から2000年の4年間の試験で不合格とした受験生の追加合格も含めて対応を検討する。

この記事を見て思わず吹き出してしまいました。
5年も前に受験した人間に今ごろになって"あなたは合格です。おめでとう。"
とでも言うのでしょうか?
それより、入学証書と卒業証書を一緒に渡した方が良いのではないでしょうか?
コレをマルハに例えると、フルチューニングの自信満々のユーザーに
"君の車は120馬力です。もう少しご精進アレー!!"
っと答えておいて、5年後に
"やっぱりあの時のあなたの車は200馬力を超える物でした。流石です。"
と今になって訂正。
"アレだけやってもパワーが出てねーと言われたから とっくに日産のターボ車に買い換え済みだー。"
っと怒鳴られそうです。

やっぱり大事なのはプログラムでしょうか?

と言うことで今回のテーマはプログラム。

当社では4連システムの制御にフリーダムを採用しております。
完全カプラ−ONで装着がラク、価格も他のフルコンに比べれば安く、性能も充分、マルハでも採用している次第です。

マルハフリーダムは特別にE&E社に製造依頼しているものですが、基本機能は一般のフリーダムと全く同じです。違うのは入力されているデーター。
コレはマルハオリジナルのもです。
勿論、マルハ4連システム専用に開発されているモノですから、一般にコピーされてもあまり役に立たないかも知れません。

時々一般ユーザーより
"中古のフリーダムを手に入れたので使い方を教えて欲しい"
と問い合わせを受けることがあります。
ただ、正直な所コレはおかど違いの問い合わせで、正直マルハとは無関係。
正しくはE&E社にお尋ねください。
マルハでもフリーダムECU単体を販売しております。
マルハで販売される全てのECUはシリアルナンバーで管理されています。
4連システムのみならず、D−制御やキャブ仕様でフリーダムを使われるのも良いかと思います。
興味のアル方はお問い合わせ下さい。

さて、雑誌の広告を見ると他ショップでもこのフリーダムを使われているところがあります。
みんなこぞってフリーダムではE&E代表の浅原さんの笑いが止まらなくなりますが、冷静に考えて見ると、やはり先ず価格でしょうか。
従来の高額のモーテックに比べると、実に安い。
だからプライベーターの間に浸透し始めたのだろうと思います。
そして、自分でプログラムする楽しさをアピールしています。
HKSで例えるならば、みんながパワーライター店みたいなものです。
自分でプログラムしたECUでエンジンを動かすなんて、機械イジリの好きなマニアには涎もの。
でも、シッカリ認識して下さい。
下手なプログラムはパワーダウンどころかエンジンを壊します。
周りに既に経験された方もいらっしゃると思います。

純正ECUのROMをいじって楽しく乗っている方もいます。
ROMライターさえあれば誰でも出きるなどとは思わないで頂きたい。
フルコンの場合はラップトップさえあれば、何とかできるなどとは考えないで下さい。
楽しむ事を前提にいじるのであれば話は別ですが、チューニングとしてとらえる場合、エンジンの事、制御の事、ある程度の測定装置(A/F計、排気温計など)がある事。
これらが上手く兼ね合って成し得るものなのです。


ヘッドスキッシュ部破損


ピストンデッキ部破損

写真はBPのものです。
無理な圧縮アップで破損したと思われるものですが、兎に角原因は異常燃焼です。
よそのショップで組まれたものですが、調子を見る為にマルハに持ち込まれました。
結局、エンジン全損。ピストンの溶解の為、フリクションが増大、クランクシャフトのジャーナル部に大きく損傷が入ってしまう結果となりました。
機能的欠陥ではなく、やはり最初のプログラムの設定も無理があったかもしれません。

これが長年使った結果なのかと聞けば、殆ど走っていないらしい。
つまり、エンジンは設定が悪ければ、例え高価な鍛造ピストンでさえ簡単に壊れるのです。

私はプライベーターがフルコンを使うことに批判的なのではありません。
エンジン制御は難しいことは事実ですが、中には大した設備もないプライベーターが結構感心させられるほどセッティングを合わせてくるケースもあります。
恐らく、普段から頻繁に触っているものと思います。
また、失敗もかなりしている筈ですし、場合によっては高いお勉強代を払うハメになっている筈です。
けれどもメゲずに一生懸命に兎に角触り、試走して、考えて、そしてまた触る。
いつの間にか、大きく進歩している。

コレこそがECUチューニングの楽しさであり、難しさでもあるのです。
言い換えれば、こう言った背景があって初めて形になるのであって、全般的な経験と知識が蓄積して、トラブル対処にも強くなり、より良いものが出来上がります。
最初は他人のプログラムを参考にして始めるのも良いと思います。
けでども、ソレをとっかえひっかえしても、何時までも進歩はありません。

マルハでも絶えず色々なケースに遭遇するたびにプログラムの対処をしています。
コレはどれもコレも同じコンディション、同じチューニングのエンジンが入庫する訳ではなく、ある4連はトヨタ車流用、ある4連はSKの物、FCRキャブ本体を使った4連さえ今は存在します。
決まったパターンの車しか入庫しないのなら非常にラクなのですが、色々な車に触れる事も言い換えればありがたいことなのかも知れません。

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