テクニカルアドバイス
For Roadster

テクアド 純正ブレーキパッド
日の丸飛行隊はソルトレイクで連続墜落。
スイスのアマンも決して大柄な選手でもないのに偉業の2冠(ノーマル、ラージヒル)。
どうしちゃったのさ? 船木、原田、 復活苦労人の葛西もあっけなく。
羽も無いのに130Mも飛ぶ奴らは人間じゃないよな。

期待の日本勢、長野の様には行かないのか?
これぞ、オリンピック。 現実は厳しい!!。
オリンピックで弾みをつけて、サッカーW杯に繋げたい。
小泉さんの改革よりも今の国民の願いは やぱりGOLDメダル。
どっかに落ちてねーかな。
アマン選手なんかは2個ももらっちゃったから、絶対選手村に置き忘れるって。
原田、今がチャンス。
兎に角“金”は持った者勝ち。 お後がよろしいようで。

頑張れニッポン。

さて、今回のテクアドは純正パッド。

マルハの4POTキャリパーをNEW COMERで紹介いたしましたが、基本は純正パッド。
実はマルハのキットも純正を良く模倣して構成しているのです。

純正パッドと社外のパッド(一般に売られている強化型など)の大きな違いは付属品にあります。
純正パッドをよーく見てください。
裏金(バックプレートが先ず目にはいります。)


高級車の大型のパッドには2重バックプレートのタイプなどもあります。
何故、このプレートをメーカーは付属させ、社外の強化パッドには付属していないのでしょう?
先ず、このバックプレートの効果を説明しましょう。
ディスクブレーキで一般的に嫌がられるものは、ブレーキ鳴きが代表格です。
この“鳴き”はディスクローターとパッドの振動によって引き起こるものです。
パッド面は垂直にカットされています。

                  

写真の金具は残量警告用のもの。
分かりやすくする為に、緑マジックで着色しました。
パッドが残り少なくなると、この金具先端(緑部)がローターと接触し始め、異音(警告音)が発生。

理屈上はこのパッド面とローターは垂直に接することになります。
教室の黒板に垂直に立てたチョークを連想してみて下さい。
垂直に立てたチョークで“スーっと”線を引けば 今にも“キィー”っと感じ悪い異音が聞こえてきそうです。
このチョークに少し角度をつけて線を引けばスムースに描けるはずです。
このチョークの角度が所謂、パッドエッジの面取りに相当します。
パッド面を僅かに削る技法です。
 当然パッド接地面積が落ちるわけですから、制動力の低下になりますが、一般公道での必要最低限の制動が充分確保できているのであれば、
むしろクレームにならないように初めからパッドエッジを落として出荷させるのです。
マルハでもパッドエッジを現場であえて落とすケースはあります。
これだけでは十分な音鳴き対策とは言えません。
ここで登場するのがバックプレート。
パッドの裏金とバックプレートの間に専用グリースを塗布しておきます。

このグリースには通常“銅粉”が練りこまれており、耐熱性に優れた素材になっています。
このグリースが一種のダンパーの役割を担うのです。
ローター&パッド面から発生した振動(鳴き)をエッジ面取りで低減、さらに、グリースダンパーで吸収。
大きくブレーキ鳴きを抑える事が可能になるのです。
また、パッドからの高温熱をキャリパーピストンに伝え難くする、遮熱の役割も果たします。
余談ですが、ピストンはスティールよりもステンレスの方が耐熱に耐食に優れている為、レース用のキャリパーは通常はステンレス材で作られますが、コストが掛かります。
さて、パッドを取り外すと、キャリパーサポート側(パッドが収まる所)にフィッティング金具が上下にありま

この金具が無いとパッドはガコガコに遊んでしまいます。
つまり、ブレーキ時にローターに引きずられてパッドとサポート間で発生するカコカコ音(異音)を防いでいるのです。
かと言って、あまりタイトでは、パッド面の摩耗に伴うパッドの内側への移動に支障をきたすので、丁度良い厚さになっています。

最後にV字型のヒゲピンがあります。

これはブレーキパッドの引きずりを防ぐものです。
本来ディスクブレーキは常に微妙にパッドとローターが接触しているものです。
接触 イコール 音の発生 になりますが、少しでも音を防ぐには微妙にパッドを外に
広げてやることです。
V字ピンはスプリングの役目でパッドを僅かに開く働きをしているのです。

結局、バックプレート、フィッティング、V字ピン 全てが音対策と言えます。
N1レースは純正形状の強化パッドを使用します。
昔から、殆どの連中はバックプレートやV字ピンを外してしまいます。
プレートの分、ペダルタッチの悪化を懸念してのことですが、私から言わせてもらえれば、
全くナンセンスの話です。
確かにカッチリ感が失われるのであれば考えなくてはなりませんが、前述の様にバックプレートには遮熱と言う大きな役割が残っています。
ピストンブーツやキャリパー取り付けボルト部のブーツが熱で破損していることを見かけます。
バックプレートがあることでかなり防ぐ事も出来ます。
特にパッドが異常に高音になりやすいミニサーキットでは是非取り付けて欲しいマイナーパーツなのです。

マルハ4POTにはこの様に純正パッド付属品の役割を良く考えて、同様に敢えてマイナーパーツを付属させています。
ステンレス材をプレスして小さな部品を造ることは以外にコストが掛かることは業界の方であれば簡単に察しがつくことと思います。
全体的な販売価格をかなり下げる一方で、コストが掛かっても細かなパーツまでも気を配ってキット化をしたかったのは、マルハの意地でもあります。

何気ない通常の金具にも大きな意味があるのです。

最後に、では何故他強化パッドには純正品のように付属が無いのでしょうか?
理由は簡単。
単なるコストダウンに過ぎません。
再使用を繰り返し、ヘロヘロのバックプレートを新品に交換しようとしても実はこの付属品のみの部品設定はありません。
つまり、純正パッドを購入しなくて手に入らないのです。

因みに定番、人気商品のHAWK(ホーク)社製パッドにはパッド背面に全てバックプレートが接着されています。
どうです、中々の気配りです。

公道(ストリート)用のHPS、HP+(カーボン)を是非お試しください。

ローター攻撃性も殆ど無く、十分な制動とロングライフが期待できます。
HAWKのブラック、ブルーの使い方とはかなり異なった一般向けパッドです。

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