マルハモータース テクアド ＢＭＷ バルブトロニック For Roadster
テクアド ＢＭＷ バルブトロニック（2003/1/21）
ホンダのＶＴＥＣが販売されてからかなり久しい。
途中でシステム改良はされているが,根本的原理は同じである。
シリンダーヘッドのバルブの作動、すなわち開閉時期（作用角）と開閉量（リフト）はカムシャフトのプロフィールで決定される。
つまりカムシャフトのプロフィールでエンジン性能は大きく変化するのである。
低速域に合わせたカムにすれば、アイドルや低速域の安定感は増し、日常的には非常に乗りやすい物になる。
厄介なガステストにもクリアしやすくなる。
ところが、そのままでは上が回らない。
何ともつまらないエンジン性能になり、ロードスターユーザーに限らず、購買意欲を損なうものとなる。
だからこそのホンダのＶＴＥＣの様な低速から高回転までのマルチ型システムが必要とされている。
各メーカーがコレに代わる物としてアレコレ悩んでいるが実情だ。
今回紹介するシステムはＢＭＷのＶＡＬＶＥＴＲＯＮＩＣ。
抜粋記事は海外の物で、しかも去年の中からの物である。
既に問題も無かろうと勝手に思い込み掲載する次第である。
簡単に要略すれば、カムシャフトは直接バルブを押さない。
インターミディエイト・アームを介し、ロッカーアームを介し、バルブをプッシュする仕組みである。
ロッカーアームはシーソーみたいな物であるから、この支点を変化させれば自ずとカムのプロフィール変化と同等の作用を得られるわけなのだが、ＢＭＷはロッカーアームの支点変化を制御するのではなく、インターミディエイト・アームをもう一段追加して同等の変化を実現している。
インターミディエイト・アームの上部にあるピボットポイントが左右に動く仕組みである。
オレンジ： インターミディエイト・アーム
ブルー ： ロッカーアーム
ピボット・ポイントが右に動くとリフト量は最大９．７�个泙妊好肇蹇璽�をする。
ピボットが左に移動すれば、図中はリフト量１．０�个鵬爾�っている。実際には０�丱螢侫箸皺椎修箸覆襦�
カムシャフトによる変化はＶＴＥＣで特許をとられており、コレに代わる手段としてマツダは現行ロードスターでは可変バルブタイミング（油圧式）をＩＮ側のみに採用している。トヨタのＶＶＴなどは基本的には皆コレと同様である。
インテーク側のみに可変バルブタイミングを行ったのは、ＥＸ側よりも効果があるわけで行われるものである。
本来ならば、当然ＥＸとて行われるべき物であるが、コストや制御のシンプル化の為に
最も効果が得られ易いＩＮ側のみに行われたものである。
良く、ユーザーからの質問に、この様なメーカーシステムのあり方をベースとして、ハイカムを入れたいのだが、ＩＮ側のみで十分であろうか？と言った内容の物がある。
チューニングとはそもそもレース（競技）以外の場合では不要な物である。
不要な物にお金を掛けて愛車に手を入れる嗜好性の強いのが車のチューニングである。
然るにどこでチューニングを妥協するかがポイントであり、間違った手法を採らぬ限りは間違い、正しいの判断を下すことは難しい。
つまりはＩＮ側だけを弄ってみるのも、一つの方法ではある。
ただ、参考までに、エンジン出力のアップにはどうしても排気側の改善は必要な物であり、
それはカムでもあり、エキマニでもある。
日産はマフラーテールにバルブを設け、条件により排気の出方を制御した。
要するに吸気側のみにハイカムを入れれば十分であるとはとても言い切れない事は簡単に考えても明白な事である。
今後もどの様にバルブを押すか、いろんな工夫が出てくることと思われる。
出力アップもそうだが、低燃費、エミッションの立場からも非常に有効な手法だが、一方で昨今の日本車に見られる簡素化と低価格に大きく矛盾することにもなる。
サージングを起こさないエアバルブはＦ１の技術であり、電磁弁にする手法はやはり高級車向けである。
最もポピュラーな車にこそ、最新の技術が贅沢に取り入れられなくては、環境観点からはアクセスし難いはずであるが、実際にはしつこく言われる安全性に例をとっても、乗車定員数のヘッドレストさえ確保されていないのが日本車の実態である。
後部座席に乗るのは人であるはずが、採算的には荷物とメーカーは考えるのか、シートベルトもプアな物になっているケースが非常に多い。
残念な事である。
NEW エンジンオイル!!
