MARUHAドアトリムカバー（内張り）

NA6・NA8用の純正品ドアトリム（内張り）に使われている芯材は木材チップ（木材繊維）と接着剤を融合させた木質ボードと呼ばれる素材からできています。
昭和時代には良く使われた素材で、軽量で一定の強度があり、ある程度の耐水性もあります。
やはり最大のメリットは安価に製造できるコストにあります。

▲木質ボード

NBになってからのドアトリム（内張り）は、ドアハンドル（持ち手）と内張りが樹脂で一体形成されているタイプに移行されます。
NAまでは旧車で良く見受けられるフラットな平板にクッション素材（スポンジ）を挟み、表層にビニール系の内装素材を張り付けて製品化する工法となります。

今となっては、このフラットなドアトリムはビンテージ感を演出する大事な要素となっています。しかし、殆どのNA系車両の現状はこの木質ボードが長年の間に水分を吸ってしまい、変形、劣化がかなり進行しているはずです。
上部のクッション部分（クラッシュパッド部）はまだ機能しているが平板部が反り曲がり、ドアから浮き上がってしまうような状態をよく見かけます。

新品純正部品としては、（2025年12月現在）現在はアッパー部も含めた一体型ドアトリムがNA6用のみ供給が続いていますが、高額であり、一部のバージョンのみの設定になっています。残念ながらNA8用は全て廃盤となっています。
（当ページ下部にて紹介しています。）

そこでMARUHAでは純正トリムの弱点を補う形で、更に上質なオリジナルドアトリム（内張り）を復刻致しました。

マルハ・ドアトリム特徴-1　芯材

芯材には発泡樹脂を使い、耐久性を向上させています。
耐水性に非常に優れていて、湿気や水で変形し難い特性があります。ここは非常に大きなポイントで、従来の純正新品を購入されても木質ボードが相変わらず使用されていますので、将来的な変形、劣化は解消されない事になります軽量で弾力があり、ドアに沿って合わせ面が柔軟に追従しますので、この点もドアパネル芯材としては、非常に適した素材と言えます。

マルハ・ドアトリム特徴-2　パネル形状

純正パネルの形状（サイズ）を基本として、細かな部分まで正確にトレースをしております。
取り付け後の美観を意識し、且つ無闇なポケットなどは配せず長く使えるシンプルなデザインで統一されています。
表層は自然なシボ模様の入った柔らかい合皮レザーを使用しています。また、自動車用内装として適合している安心素材を採用しております。

[ご理解のお願い]
基本設定色は黒、赤、タンの３色。
赤、タン色は純正オリジナル品の劣化変色がどの車両にも見受けられ、上部クラッシュパッド部（純正品）とは若干色目が異なって見える場合もあります。

マルハ・ドアトリム特徴-3　中間スポンジ

中間層のスポンジライナーは特殊素材で長期使用においても加水分解をし難い素材を採用しています。加水分解とは、スポンジなどが劣化によりボロボロと風化する様を指します。ドア内張りは雨水や洗車水にもさらされる事があり、耐久性の高いスポンジを使うことは非常に大事なポイントとなります。ここも純正品と大きく異なるポイントです。
更に採用されているスポンジライナーは断熱性能が高く、エアコンの効きを向上させ、またドア外側からの熱を遮断する性能に優れています。勿論、表層素材と同様に難燃性を有しています。
単なるクッション素材としてのスポンジではなく、機能的に裏付けされた高品質なライナーと言えます。

マルハ・ドアトリム特徴-4　NA6・8共通性

NA6、NA8、パワーウィンド（ＰＷ）式、手動式、これらに対して1種類で対応が可能です。

先ず、NA6用、NA8用の異なる点は、インナーハンドル（持ち手）の形状。それぞれのハンドルの形状はNA6用が3点で固定されるＬ字型。NA8用は2点で固定されるＩ型となっています。

▲NA6用

▲NA8用

上部の丸穴はどちらにも使われる共通点なので、製造の段階でこの穴は開けられています。
残りの穴は、ボード裏側にミシン目を入れておりますので、必要に応じて線に添う格好で穴開け加工をしてください。
ボード素材は、柔軟性のある発泡樹脂なので、この様な加工は比較的容易にできるようになっています。

また、ＰＷ式の場合は、特に穴を開ける必要はなく、手動式の場合は同様にボード裏側のミシン目に沿って、丸穴加工をしてください。

市場で見られる他社外製品は、アルミ板、あるいはカーボン素材板などを使っていますので、この様な加工は決して容易ではありません。
現場で手軽に加工対応できる事も非常に大事な要素となります。

マルハ・ドアトリム特徴-5　スピーカーグリル

先ず、これをみてください。

嘗てのM2コーポレーションから限定販売されたM2-1028用のドアトリムです。一体型でポケットやキックボードなどが付かない非常にシンプルなデザインになっています。

▲M2-1028用のドアトリム

MARUHAがドアトリムに着手した最初の切っ掛けは、このデザインと同じものを作りたいと思う、憧れからでした。洗練された1028用のドアトリムは、ビンテージ感と無駄を省いたスポーツカー用としてのシンプル感が備わったまさしくロードスターのお手本的なデザインと言えます。丸穴は2か所。1か所は1028専用のドアハンドル（リング上のストラップ）用、もう一つの穴は手動式ドアレギュレーター用ハンドル用。 MARUHAのドアトリムは、まさしく1028用にもお使い頂けます。

■スピーカーグリル付き

スピーカーグリル付きは、スピーカーを保護するための金属グリルが取り付けられています。
グリルは耐食性に優れた特殊メッキ鋼板が採用されています。断面においても自己修復的な保護被膜が形成され、エッジ部の錆にも強い素材となっています。

▲スピーカーグリルは耐食性に優れた特殊メッキ鋼板が採用されています。

▲専用トリムファスナー用のブリッジ

パネル背面はこのスピーカー部分のみ１か所に専用トリムファスナー用の金具台座が設けれています。
これはＭＡＺＤＡ純正トリムでも採用されている工法で、スピーカーを保護する様に微妙なクリアランスを保つための設計です。ＭＡＲＵＨＡのドアトリムはこの様な細かな部分まで再現をしています。

■スピーカーグリル無し

別体の樹脂製スピーカーグリルを再使用される場合は、グリル無しのタイプをお求めてください。

MAZDA純正の樹脂製グリルカバーは黒色・廃盤となっております。
本来、乗り降り時に足でスピーカーを蹴ってしまう事を前提に樹脂形状のカバーが別体として設定されています。今や黒色につては廃盤商品となりますので、是非大事にお使いください。

マルハ・ドアトリム特徴-6　トリムファスナーホール

▲瓢箪型のトリムファスナー用の穴形状

ボードに開けられた瓢箪型のトリムファスナー用の穴形状は、純正トリムファスナーが再使用できる様になっています。
この瓢箪型の穴のくびれが大事で、ファスナーのロックになります。純正木質ボードの場合、劣化により脆くなっています。加えて強引なパネル外し作業や、ファスナーの先端とドア穴の位置が上手く合っていなくても無理に押し込んでしまい、パネルの穴を崩す事があります。
この様な事態を想定しても、変形あるいは劣化し難い発泡樹脂製パネルを採用するアドバンテージがあります。
正確に穴位置を設計されたトリムですので、取り付けは純正品と同じ要領で行う事ができます。

マルハ・ドアトリム特徴-7　アルミガラスクロスシート

▲手でちぎれることさえもできない保護シート。

パネル裏側の折り返し部は単なる接着に留まらず、専用のアルミガラスクロスを専用形状に切り出した上で補強用に追加設定されています。

先ず純正パネルは画像の様に経年劣化で接着部分が剥がれてしまう事があります。
これを切っ掛けとして、パネル表面が全体的に剥がれる様な状態があります。
先ずは裏側の折り返しをしっかりと固定する（接着する）ことが非常に大切です。
このアルミシートは表面にカーボン素材の不織布を貼り合わせていますので、手で千切る事さえもできない程の堅牢な素材です。
これを適所に専用デザインで切出し、コーナーごとに丁寧に追加接着されます。
非常に手間の掛かった丁寧な造りになっています。