MARUHA MOTORS

マルハモータース テクアド クランクシャフト For Roadster

テクアド クランクシャフト(2002/09/11)

今回のテクアドはチョッとコアに行きましょう。

エンジンのオーバーホール(O/H)の際に頭をいつも痛めるのがクランクシャフトの使い方。
一般ストリート用の基本O/Hであってもクランクシャフトの精度が求められるのは言うまでもありません。
使用時間や使用条件が過去少なく穏やかな物をなるべくベースにしたいと考えるのは誰でも同じ事です。
エンジンのO/Hについては自分のエンジンをベースに作業を進める事を前提にマルハでは話しを進めます。
なぜならば、最も素性のはっきりしているエンジンだからです。
走行距離はもとより、分解後の点検、測定、を基準に再使用か否かを判断します。
クランクは高価です。
当然全てのユーザーが再使用を希望します。
バラして曲がり酷く傷があるものはダメ。 ダメなものはダメ。
そうなると他中古エンジンからクランクを持ってくるか、新品を請購入する形になります。

さて、新品のクランクシャフトは一体いくらするのでしょうか?
B6用、BP用ともに75.000円です。

エンジンO/H代が高くなればなるほど、それでは中古エンジンに載せ換えようかと心理が働きます。
だから、格安O/Hエンジンに手を出したり、素性の分からぬ中古エンジンをネットで探すハメになります。
要するにこの不景気にそんなにお金を掛けていられないのです。

世の中の景気がどうであれ、エンジンは機械。 機械はシッカリした部品で組み上げなければ良い物は出来ません。
出す所は出さなくてはならないのです。 ある程度の出費は当然なのです。

クランクシャフトにいつも頭を痛めると冒頭で述べたのはやはり予算的に新品購入が簡単に出来ないからであって、
技術的に頭を痛めているわけではありません。
少なくとも基本O/Hであれば基本に忠実に組み上げるまでですが、現実はそうも簡単には
行きません。

メタル

マルハの安いデジカメの割には光物が上手く撮れました。
BPエンジン分解後のメインキャップメタル装着状態の写真です。
左から#1の順で#5まで。 この5個のキャップでクランクを支持しています。
僅かに#1、#2、#3のメタルにクランクのアタリが確認できます。
一般的にメタルに負担が掛かり易いのは#1、#5と言われています。
#1はフロントプーリーがあり、#5にはフライホイールがあります。
つまりそれぞれの回転物が振動を引き起こすので、その負担が#1、#5のジャーナルに掛かりやすいという理屈です。
その一方でクランクシャフト自体の素材や設計、製造精度の問題が絡んできます。
金属の繊維のことを取り上げて、曲がりの発生を考えると"仕方が無い物"と言わざるを得ません。
繊維的な曲がりは応力的結果なので、バラした時点で曲がっているものはどんなに入念に修正をしても又曲がると言う人もいます。

それではマルハではこの写真のメタルのエンジンをどのように組み上げたかと言えば、
クランクはやはり曲がり修正を施しました。
一般ガレージではそのまま組み付けに入るレベルでもあります。
新品交換をしても、中古を用意してもこちらが求める精度になっているか否かは保証できません。
曲がりの原因が金属繊維だけとは限りません。
諸所の理由で再使用パーツと決めた限りはできる限りの処置をしなくてはなりません。

測定の時点では#1、#2、#3で3/100mm(振れ)を確認しましたが、修正後は各ジャーナル全て1/100mm以内の精度になっています。
メタルのアタリは非常に正直で見事に当初のクランクの曲がりを物語っています。
クランクジャーナル直径とメタルハウジング内径の差がクリアランスになりますが、通常4/100〜6/100mm程度有りますから、
少々のクランク曲がりは許容範囲になります。
ただ、これは静止状態での話しですので、実際にピストンが勢い良く回り始めたら振動や負荷が掛かりますから、
クリアランスに対して本当の意味でのクランク曲がりの許容は1/100mmまでとマルハではしています。
チューニングに関して言えば、重量の有るピストンやロッドの使用、ショートスカートのピストン、高回転域での使用、
極端な高圧着クラッチ、エンジンセッティングのミス、etc。
これら全ての要因でメタルは流れます。
最終的にはトータルバランスといえますが、そんな事は当たり前の事です。
メニューの組み方はとても大切な事ですが、一旦メニューが決まれば後は個々のパーツをどれだけ拘って組み付けるかになります。

今回のクランク修正の凄いのはマルハの提携先の会社が凄いのであってマルハは単に拘っているだけです。
場合によってはオリフィスの追加や形状加工も行いますし、表面処理の追加も行います。
場合によっては削り出しのクランクもマルハでは用意致します。
どれも惚れ惚れする仕上がりです。
いわゆるレーススペックのクランクの話しになるわけですが、今回の話しは基本O/Hに於けるクランクシャフトへの拘り。

現在、海外も含めて色々なメーカーにアプローチしています。
もっと良いクランクがこなれた価格で提供できないものかと思考錯誤の毎日です。

ことロードスターについては相変わらずマニアックなパーツを提供し続けているマルハです。
全力で走り続けていて"ふっと"後ろを振り返ると誰もついて来ない状況が怖いです。
市場の要求に合致できるマイルドなパーツ提供も今後の課題でもありますが、
従来高価で一般受けしなかったアイテムを一般的に提供するように努力する事も重要な筈です。

マルハはまだまだ頑張らなくてはなりません。


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