MARUHA MOTORS

アライメント調整

ロードスターは、足回りが命と言っても過言ではないほどに、軽快なフットワークが持ち味です。
それを支えるアライメントの調整範囲が広く、プロの腕の見せ所でもあります。

1)調整項目は:

フロント側

キャスター (バイクのフロントホークの角度)
キャンバー (タイヤの内外への傾き度)
トー (前方対する内閉じ・外開き度)

リヤ側

キャンバー (タイヤの内外への傾き度)
トー (前方対する内閉じ・外開き度)

これに加えて、車高も影響します。

マツダ・ロードスター(NA・NB・NC)の全ての車両に対し、これだけの箇所が調整可能なのです。
全ての車がロードスター同様に調整できるわけではありません。
だから、ロードスターは面白いのですね。

2)測定数値から見えること:

さて、アライメントテスターは今や多くのショップでも扱う大変ポピュラーなテスターです。
NA6CEが販売された20年前には、アライメントテスターは限られた箇所にしかありませんでしたから、時代は随分変わったものです。

年々、テスターには改良箇所が見られ、その扱い易さも相当に改善されています。
ただし、昔も今も変わらないことは、測定データーから"何"を読み取るのかはメカニックの技量に掛かる事です。

テスターにはメーカー公表の基準データーがインプットされています。
経験の浅いメカニックは、考えなしにそのデーターに合わせることに終始します。

さて、それだけで結果は満足いくものになるのでしょか?

3)真っ直ぐに走らせる:

左右を対称に調整をすれば、車は真っ直ぐ走るのでしょうか?
"真っ直ぐ走る"とは安定して真っ直ぐ走ること言います。 ハンドルを常に修正することなく、真っ直ぐな直線道路を安定して真っ直ぐ走ることです。

バカ正直に左右を均一化させると、実は真っ直ぐに走りません。
なぜなら、道路には勾配があるからです。 雨が降った後に雨水はどこに流れますか?
道路の真ん中に溜まる様なことはありません。必ず左側の側溝に流れ込むようになっています。
道路中央が高く、端が低い。 この高低差は車両の直進性に影響を与えてしまいます。
だから、左右均一のアライメントでは真っ直ぐに走らないのです。

また、グン加速した時に、あるいはギュっとブレーキを掛けた時に、ハンドルがグラっと取られる症状が出たら、どう考えますか?

4)タイヤの癖

アライメントを調整したにも拘わらず、車が流れる。 こんな経験をしたことはありませんか? 折角調整したのに、上手く調整が取れていないのか?と疑いたくなる気持ちが湧いてきますね。
しかし、今まで狂ったアライメントで走り続けたことが、実はタイヤの編摩耗に繋がっていたとしたらどうでしょう?

例えば左側に流れる車を、真っ直ぐ走らせるために常に右にハンドルを修正しています。
タイヤは右に向いているのに車は真っ直ぐに走るわけですから、これが編摩耗の原因になる訳です。
この癖のついたタイヤを使うと、車の直進性を損なう事になるのです。

5)走りの用途

どんな走りを普段していますか?と必ずマルハでは聞きます。
必要に応じたセッティングがあるからです。

例えばキャンバー。 予めネガティブ(内向き)にさせておく理由は何でしょうか?
コーナーリングの際に、遠心力を想定して"予想"で付けるのがキャンバーです。
つまり、見込キャンバーなのです。
では、きつい走りと一般的な走りでは、この遠心力は当然異なりますので、必要と予想するキャンバー角は当然異なります。

こんなことはメーカーの推奨データーには反映されていません。
だから、メカニックの経験や技量が問われるわけです。

6)左右の不一致

先ずは正確なアライメント調整をするために用意しているリフトから。
アライメント専用のリフターは、規定高でロックされると前後のリフト高低差はわずか3mmとほぼ完全水平を確保する。

その上で、測定に入る。
左右のアライメント数値を意識しながら調整するも、不自然な調整カム位置であれば、その背景を考えることが"非常に"大事なのです。
左右の調整カムを同じ位置にすると、測定数値は大きく異なっていまうこともあります。
何かが曲がったり、歪んでいるのです。

7)調整カム

各ロアアームのメンバー側付け根に調整用カムボルトがあります。
この調整カムは無暗に緩めてはいけません。

例えば、フロント側のたった1つだけを緩めて僅かに回転させたとします。
一体、何が変化してしますのでしょうか?

キャンバーでしょうか?
キャスターでしょうか?

答えは、キャスターも、キャンバーも、そしてトーも変化してしまいます。
全てが変わってしまうので、完全に狂ってしまうのです。

以上、簡単にアライメントについてご案内をしましたが、さらにタイヤサイズ・ホイールオフセット・車高・サスペンション・スプリングレートなど、要素は様々。
だからこそ、考えることが大事なのです。

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